株式会社前田工業所(以下当社)では、回転機械設備の施工品質維持の目的で計測機器の中でも特に使用頻度が高いアウトサイドマイクロメータ(外側マイクロメータ)とダイヤルゲージ(ダイヤルインジケータ)について社内校正化を実現しました。
アウトサイドマイクロメータ ダイヤルゲージ
回転機械設備は、負荷運転を継続する際に振動や異常摩耗が徐々に大きくなっていくといずれ故障し、場合によっては顧客商品の生産量に波及します。原因は電気的原因、機械的原因、流体的原因、経年劣化などに分類されますが、当社の施工品質が影響するのは機械的原因です。中でも、建設・定期検査・補修施工時のシャフト(回転軸)やセンターリング(芯出し)関係の計測精度は品質に影響します。シャフトの摩耗、歪みを調べるには外形測定、芯振れ測定が必要で、計測機器はアウトサイドマイクロメータやダイヤルゲージを使用します。センターリングは、例えばモーター軸と本体回転軸のような回転部どうしのカップリング部分の軸芯を合わせる作業です。センターリングの良否もシャフト補修と同様に振動や異常摩耗の発生などに影響するので品質確保に重要なポイントです。当社は、最も多く使用する計測機器としてアウトサイドマイクロメータ(25mm〜300mm)とダイヤルゲージを2年毎に社内校正化することによりそれらを用いた施工品質を保証できるようにしました。
シャフト芯振れ計測の様子 センターリング計測の様子
当社は、品質マニュアルのなかに計測機器管理としてその手順をを記載いたしました。当社保有の検査用基準器(ブロックゲージ、キャリブレーションテスタ、オプチカルパラレル)に対し5年毎に所定専門機関での校正検査を実施することによりトレーサビリティを保ちます。各計測機器の社内校正は専門講習を受講した検査員が温度管理された検査室にて決められた手順に則り執り行います。
社内校正検査にて合格した計測器に対し、校正成績書とトレーサビリティ体系図を発行します。それらは、電子ファイル化し全社員がアクセス可能なクラウド書庫へ保存します。従って、顧客から要求があった場合に、担当社員が印刷した写しをすぐに開示・提出することが可能となります。
検査成績書書式の一例 トレーサビリティ体系図の一例
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